明治維新 (1868年) から大正〜昭和〜平成〜令和と150年以上にわたるJ-Pop (歌謡曲、日本の大衆音楽) の歴史を探ろう、というのがテーマです。昔懐かしいヒット曲を年代別 (発売年月 / 流行年代順) に集めて、データベース化しました。勝手なコメントもついています。
流行年月 | 曲名 | 歌手・アーティスト | ひとこと |
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1884. | 仰げば尊し | ─ | 学校の卒業式で歌われる定番曲だったが、現在ではあまり歌われなくなっている。『文部省唱歌 (3) 』 (明治17年) に収録。西洋長音階で書かれているが、作詞・作曲者は不詳。最近では、1871年頃にアメリカで出版された歌集に混声四部合唱の原曲が掲載されていたことが発見されている。この原曲は「ソング・フォア・ザ・クローズ・オブ・スクール」といい、歌詞のテーマはやはり「卒業」だった。ただ、この曲がどのような経緯を経て日本に伝わったのかは明らかになっていない。 |
1885. | ちょんこ節 | ─ | 名古屋から流行した俗曲。卑猥な替唄がたくさん作られ、唄われた。 |
1885. | 抜刀隊の歌 | ─ | 鹿鳴館で、陸軍軍楽隊によって初演された(明治18年7月) 。作曲は、陸軍の軍楽教師としてフランスから招かれたルルーで、作詞は外山正一。外山は、従来の漢詩や国詩のように型にはまらない斬新な新体詩を導入した一人としても知られている。抜刀隊とは、西南戦争の時に西郷軍に囲まれた熊本鎮台の救援に向かった官軍の中に、東京の巡査で編成された警視隊があったが、その中から選ばれた剣の達人100名を呼んだもの。田原坂などで手柄を立てたという。ということは、西南戦争のときに流行していた唄ではなかった、ということだ。 |
1886-87. | 宝海節 (法界節) | ─ | 元は中国の楽器で、長崎からはやり出した「月琴」という、丸い形をした楽器を使って「かんかんのう」から転化した唄を唄いながら、「ホーカイ、ホーカイ」と唄ったもの。日清戦争後はすたれてしまった。現在では、中国産のフレットがたくさんある月琴は残っているものの、昔ながらの月琴はほとんど手に入らないという。 |
1886. | 小楠公 (しょうなんこう) | ─ | 小楠公 (しょうなんこう) とは、楠木正行 (くすのきまさつら) を指す。大楠公 (だいなんこう) はその父、楠木正成のこと。正平三年、南朝軍・楠木正行と足利方・高師直 (こうのもろなお) との間に行われた「四条畷 (しじょうなわて) の戦い」が有名。 |
1886. | ダイナマイト節 | ─ | 自由民権運動が盛んになったのは明治14年辺りからで、板垣退助を総理と仰ぐ自由党の壮士たちが、政治思想を鼓舞する目的でうたいはじめたもの。 |
1887. | さいこどん (さいこどんどん節) | ─ | 1887 (明治19) 年、もしくはその前年あたりから流行。さいこどんどん節ともいう。庶民の生活を歌ったもので、文明開化とはいうものの、世情は落ち着かず、物価は上がる、と庶民の生活は苦しかった。歌詞では、大晦日に取り立てに来る借金取りを「羅生門の鬼」に見立てている。 |
1887. | ノルマントン号沈没の歌 | ─ | 明治19年10月24日午後7時頃、和歌山県潮岬の暗礁に、イギリスの汽船ノルマントン号が乗り上げて沈没した。このとき、西洋人の船長と乗組員、そして中国人の給仕は我先にと難を逃れたが、船中に取り残された日本人乗客23名は全員死んでしまった。神戸で開かれた海難審判では船長以下、乗組員は全員無罪、治外法権で外国人は裁けないため明治政府は横浜のイギリス領事館に対して船長を告訴するも、結果は禁固3ヶ月、しかも日本人に対する賠償はなかった。これが大いに物議を醸し、50番以上にわたる歌詞が作られて唄われた。明治政府は後にこの唄を禁止にする措置を発表したため、明治時代の歌曲に関する文献には掲載されていない。また、楽曲は「抜刀隊」を転化したものだといわれている。明治20年10月には、新富座でノルマントン号沈没を扱った「三府五港写幻燈 (さんぷごこううつすげんとう)」が上演されている。 |
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1893-1897 (明治26-30) 年 │
1898-1902 (明治31-35) 年 │
1903-1907 (明治36-40) 年 │
1908-1911 (明治41-44) 年 │
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1917-1921 (大正06-10) 年 │
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